共用パソコンに、誰かの私的なチャットが開いたままになっていた。そこに不倫を疑う内容が見えたら、「今のうちに証拠を残さなければ」と焦るかもしれません。今回は、同僚の会話を無断で撮影し、別の職員へ送った行為について、韓国で判決が出たという報道を取り上げます。
裏切りを疑ったとき、事実を知りたいと思う気持ちは自然なものです。ただ、その気持ちに押されて他人のアカウントを調べたり、周囲に画像を送ったりすると、もともとの問題に別のトラブルが重なるおそれがあります。
探偵や調査に関する情報を扱う当サイトとして、証拠を「見つけること」だけでなく、「どんな方法で確認し、誰に相談するか」も大切にしたいと考えます。まず報道の概要を紹介し、その後は当サイトの独自の視点で、落ち着いて進めるためのポイントを整理します。
KOREA WAVEは、共用PCにログイン状態で残っていた同僚のチャットを開き、撮影して別の職員へ送った韓国の児童福祉施設職員について、裁判所が罰金100万ウォンの宣告を猶予したと報じました。公益のためだったという主張は退けられたとしています。韓国の事例であり、日本で同じ結論になることや、罰金の支払いが確定したことを示す報道ではありません。
出典:KOREA WAVE「共用PCの『カカオトーク』放置を盗撮・拡散…韓国・同僚の不倫暴いた児童施設職員に有罪」(2026年10月18日21:03配信・最終更新)
画面が開いていることと、読む許可は別の話
共有の机に置かれた物だからといって、その中身まで自由に扱ってよいとは限りません。パソコンやタブレットでも同じように、端末を使う許可と、その人の私的な会話を見る許可は、分けて考える必要があります。
偶然に文字が目に入ることと、会話を次々に開いて探すこと、画面を保存すること、別の人へ送ることは、それぞれ異なる行動です。「最初は偶然だった」という説明だけで、その後の行動まで一括りにはできません。職場で不適切な行為が心配なら、私的な会話の画像を同僚へ回す前に、正式な相談窓口で伝え方を確認したいところです。
日本については、警察庁のセキュリティ対策案内が、他人のID・パスワードを不正利用してログインすることは、不正アクセス禁止法違反に該当するおそれがあると注意を促しています。一方、今回のように既にログインされた画面を扱う事例の法的評価まで、この説明だけで決めることはできません。家族や配偶者の端末であっても、無断でログインして調べることは避け、個別の事情を弁護士などへ相談してください。
証拠を増やす前に、確認できる情報を整理する
疑いが膨らむと、つい「もっと決定的なものがあるはず」と探し続けたくなります。しかし、写真や会話の一部分だけでは、前後の事情が分からない場合もあります。疑っている段階で関係を断定せず、自分が適切に扱える情報と、推測とを切り分けてみましょう。
- いつ、どこで、何に違和感を持ったかを、思い出せる範囲で日付順に書く
- 自分宛てに届いた連絡や、自分が当事者として交わした説明を整理する
- 書類やデータは、自分に閲覧・管理の権限があるものかを先に確認する
- 直接見聞きした事実と、聞いた話・自分の推測を分けて記載する
- 話し合い、関係の再構築、離婚の検討など、相談で確かめたいことをまとめる
相談の準備は、他人の私生活を際限なく集めることから始める必要はありません。「分からないこと」を分からないまま書いておくのも、有用な整理です。空白を想像で埋めずに伝えることで、相談先も次に確認すべき点を考えやすくなります。
すでに画像などを受け取っている場合も、知人のグループやSNSに送り直して、相手を問い詰める材料にしないでください。保存や相談先への提示をどう扱うか迷うものは、入手した経緯を含めて専門家に確認しましょう。相談では、事情を説明することと、無関係な第三者へ拡散することを区別する姿勢が大切です。
探偵の調査と弁護士の判断を、目的に合わせて選ぶ
不倫が疑われる場合、事実関係を調べる相談と、離婚や慰謝料などの法律相談は、役割が異なります。弁護士には、現在ある情報をどう評価するか、今後どんな情報が必要か、入手方法に問題がないかといった点を相談できます。法律相談の入り口が分からない方は、法テラスの慰謝料に関する案内も参考になります。
探偵へ調査を相談する場合は、「誰の、どのような行動について、何を確認したいのか」を具体的にします。契約前には、調査方法、対象範囲、期間、費用、報告の形、個人情報の取り扱いについて説明を受け、理解できない部分を残さないようにしましょう。
警察庁の探偵業の案内にもあるように、探偵業であっても他の法令で禁じられた行為が認められるわけではありません。「パスワードを突破できる」「会話を全部取り出せる」といった提案を、調査の安心材料にしないでください。
結果だけでなく、確認する方法と情報を渡す範囲まで考えることが、自分の生活を守る準備になります。調査をしたら必ず望む証拠が得られる、慰謝料が認められる、といった保証はありません。焦って契約する前に、目的に合った相談先と進め方を選んでいきましょう。
不安なときほど、目の前の画面を撮り、誰かに送って確かめてもらいたくなるかもしれません。まずは一度手を止め、自分が確認できた事実と悩んでいる点を整理してみてください。相手の説明や推測だけで結論を急がず、適切な方法を相談することから、これからの選択に必要な情報を集めていきましょう。
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