日本では、毎年およそ8万人の行方不明者届が警察に届け出られています。警察庁の最新統計によると、令和7年(2025年)の行方不明者数は8万486人でした。
ただし、この数字は「現在も見つかっていない人の数」ではありません。1年間に警察が受理した行方不明者届の延べ人数であり、その後に所在が確認された人も含まれます。この記事では、警察庁の統計をもとに、行方不明者数の推移、年齢別・原因別の特徴、認知症高齢者の実態、警察への届出や情報公開の方法をわかりやすく解説します。
日本の行方不明者数は年間何件?警察庁統計資料から全体件数と推移を読む
直近5年の件数と増加傾向をグラフで確認―毎年の推移
警察庁によると、直近5年間の行方不明者数は次のとおりです。
| 年 | 行方不明者数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 令和3年(2021年) | 79,218人 | 2,196人増 |
| 令和4年(2022年) | 84,910人 | 5,692人増 |
| 令和5年(2023年) | 90,144人 | 5,234人増 |
| 令和6年(2024年) | 82,563人 | 7,581人減 |
| 令和7年(2025年) | 80,486人 | 2,077人減 |
令和5年は9万144人で、令和2年以降では最多でした。その後は2年連続で減少していますが、令和7年も年間8万人を超えており、依然として高い水準です。
なお、警察庁の「行方不明者数」は、警察に行方不明者届が出された人の数です。同じ人について複数年にわたって届出が出される場合もあるため、必ずしも実人数とは一致しません。
男女別では、男性が5万918人、女性が2万9,568人で、男性が全体の63.3%を占めています。近年は、男性がおよそ6割、女性がおよそ4割という傾向が続いています。
特異行方不明者の割合と人数とは
「特異行方不明者」とは、行方不明者のうち、生命や身体に危険が及んでいる可能性が高く、特に迅速な発見活動が必要と判断される人を指します。
具体的には、次のようなケースが該当します。
- 殺人や誘拐などの犯罪被害に遭っているおそれがある人
- 少年の福祉を害する犯罪の被害に遭う可能性がある人
- 水難事故や交通事故などに遭遇しているおそれがある人
- 自殺のおそれがある人
- 自分を傷つけたり、他人に危害を加えたりするおそれがある人
- 病人、高齢者、年少者など、自力で安全を確保することが難しい人
特異行方不明者に該当するかどうかは、年齢だけで決まるものではありません。行方不明になった状況、直前の言動、健康状態、事故や犯罪に巻き込まれた可能性などを総合的に判断します。
警察庁が公表している「行方不明者数」の統計では、特異行方不明者の全国総数や割合が一貫した形で掲載されているわけではありません。そのため、「行方不明者のうち何%が特異行方不明者か」という数値は、公開統計だけからは確認できません。
家族が突然いなくなり、事故や自殺、犯罪被害の可能性がある場合は、「しばらく様子を見る」のではなく、すぐに警察へ相談することが大切です。
行方不明者数見つからない数(未発見者)の実態
行方不明者数と、年末時点で見つかっていない人の数は別の指標です。
令和7年中に警察が受理した行方不明者届は8万486人でした。一方、令和7年中に所在確認、死亡確認、届出の取下げなどの「所在確認等」が行われた人数は8万1,843人です。この人数には、過去の年に受理された届出も含まれます。
| 区分 | 令和7年の人数 |
|---|---|
| 行方不明者届の受理数 | 80,486人 |
| 所在確認 | 67,859人 |
| 死亡確認 | 3,850人 |
| その他 | 10,134人 |
| 所在確認等の合計 | 81,843人 |
「その他」には、届出が取り下げられたケースなどが含まれます。したがって、受理数から所在確認等の人数を単純に引けば、未発見者数が算出できるわけではありません。
また、所在確認等の人数には過去に届け出られた人も含まれるため、行方不明者届を出した当年の発見率や未発見者数を示す統計でもありません。
令和7年に所在確認された人のうち、受理当日に見つかった人は3万3,322人、2~3日以内に見つかった人は2万180人でした。警察庁の統計からは、行方不明者の多くが比較的早期に発見されていることがわかります。
年齢別・属性別の行方不明者:子ども・認知症高齢者・家出失踪者の特徴
子供・子どもが行方不明になる原因と動機
令和7年の年齢層別では、10歳代の行方不明者が1万8,288人で最も多く、次いで20歳代が1万3,661人、80歳以上が1万3,800人でした。
| 年齢層 | 人数 | 人口10万人当たり |
|---|---|---|
| 9歳以下 | 982人 | 11.8人 |
| 10歳代 | 18,288人 | 172.7人 |
| 20歳代 | 13,661人 | 106.8人 |
| 30歳代 | 8,026人 | 61.0人 |
| 40歳代 | 6,330人 | 39.7人 |
| 50歳代 | 5,965人 | 32.4人 |
| 60歳代 | 4,175人 | 27.9人 |
| 70歳代 | 9,259人 | 57.4人 |
| 80歳以上 | 13,800人 | 106.9人 |
10歳代と20歳代を合わせると3万1,949人で、全体のおよそ4割に相当します。人口10万人当たりで見ると、10歳代の行方不明者数が特に多い点も特徴です。
10歳代以下では、原因・動機として家庭関係や学業関係が比較的多くなっています。令和7年は、10歳代の家庭関係が6,047人、学業関係が1,581人でした。
ただし、原因・動機は、行方不明者届を受理した際に届出人から申し出られた内容に基づくものです。すべての事情が正確に把握されているとは限らないため、「家庭に問題がある」と一律に判断することはできません。
子どもの行方不明では、次のような背景が考えられます。
- 家族との口論や学校生活への悩み
- 友人関係や交際関係のトラブル
- SNSを通じた第三者との接触
- いじめや不登校
- 家出や一時的な外泊
- 犯罪や事故に巻き込まれた可能性
未成年者の場合、本人が「自分の意思で出かけた」と話していても、安全が確保されているとは限りません。特に連絡がつかない、普段と違う場所にいる可能性がある、第三者との接触が疑われるといった場合は、早めに警察へ相談しましょう。
認知症高齢者の失踪が増加する背景と関係機関の対応
認知症またはその疑いがある人の行方不明者数は、令和7年に1万7,345人でした。前年の1万8,121人からは776人減少しましたが、依然として年間1万7,000人を超えています。
| 年 | 認知症に係る行方不明者数 |
|---|---|
| 令和3年(2021年) | 17,636人 |
| 令和4年(2022年) | 18,709人 |
| 令和5年(2023年) | 19,039人 |
| 令和6年(2024年) | 18,121人 |
| 令和7年(2025年) | 17,345人 |
認知症高齢者が行方不明になる背景には、記憶力や判断力の低下、目的地を忘れる、帰り道がわからなくなるといった症状があります。本人に外出の意図があっても、道に迷ったり、事故に遭ったりする危険があるため、早期の発見が重要です。
令和7年中に所在確認または死亡確認された認知症行方不明者のうち、94.8%は届出受理から3日以内に確認されました。また、GPS機器などが活用されたケースでは、約84.9%が受理当日に所在確認されています。
自治体や地域包括支援センターでは、次のような取り組みが行われています。
- 認知症高齢者等SOSネットワーク
- 見守りシールや登録制度
- 防災行政無線による情報発信
- 自治体公式LINEなどによる周知
- 介護事業者や地域住民との連携
- GPS端末の貸与や導入支援
家族だけで捜索を続けるのではなく、警察、自治体、介護事業者、地域住民に早めに協力を求めることが大切です。
家出失踪者の動機と家庭・社会との関係性
警察庁の統計では、「家出失踪者」という区分で独立した人数が示されているわけではありません。行方不明者全体について、届出時に申し出られた原因・動機が集計されています。
令和7年に多かった原因・動機は、次のとおりです。
| 原因・動機 | 人数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 疾病関係 | 22,753人 | 28.3% |
| 家庭関係 | 12,599人 | 15.7% |
| 事業・職業関係 | 5,340人 | 6.6% |
| 学業関係 | 1,916人 | 2.4% |
| 異性関係 | 1,713人 | 2.1% |
| 犯罪関係 | 621人 | 0.8% |
| その他 | 14,891人 | 18.5% |
| 不詳 | 20,653人 | 25.7% |
10歳代では家庭関係、20~30歳代では事業・職業関係が比較的多く、高齢になるほど疾病関係や認知症の割合が高くなっています。
ただし、「家庭関係」や「事業・職業関係」は、行方不明になった直接の原因をすべて説明するものではありません。家族関係、学校、職場、経済状況、メンタルヘルスなどが複合的に関係している可能性もあります。
また、「家出」と呼ばれるケースでも、犯罪被害や自殺、事故などの危険が隠れている場合があります。本人を責めたり、無理に問い詰めたりするよりも、まず安全の確認を優先してください。
地域で見る行方不明者が多い県ランキング
行方不明者が多い県トップ10と件数比較
警察庁が毎年公表する行方不明者統計の中心は、全国の総数、年齢、原因・動機、所在確認などです。都道府県別の行方不明者数ランキングについては、同じ形式の全国一覧が本文資料に掲載されていない年もあります。
そのため、公開情報だけを使って「令和7年の行方不明者数が多い県トップ10」を確定させるには、警察庁が公開する統計データの都道府県別項目を確認する必要があります。確認できない数値を推測してランキング化することは避けなければなりません。
一方、認知症に係る行方不明者については、令和6年の都道府県別人数が報道されています。上位は次のとおりです。
| 順位 | 都道府県 | 認知症に係る行方不明者数 |
|---|---|---|
| 1位 | 大阪府 | 2,086人 |
| 2位 | 神奈川県 | 1,907人 |
| 3位 | 埼玉県 | 1,812人 |
| 4位 | 愛知県 | 1,476人 |
| 5位 | 兵庫県 | 1,454人 |
これは認知症に係る行方不明者の順位であり、行方不明者全体の都道府県ランキングではありません。大都市圏では人口が多く、警察への届出や医療・介護サービスの利用状況なども異なるため、単純に「危険な県」と評価することはできません。
都市部vs地方―人口割合で見る傾向と増加要因
都道府県別に行方不明者数を比較するときは、実数だけでなく人口当たりの件数も見る必要があります。
人口の多い都市部では、次の理由から届出数が多く見える可能性があります。
- 居住人口が多い
- 交通機関や繁華街が集中している
- 転居や単身世帯が多い
- 医療機関や介護施設の利用者が多い
- 人の移動範囲が広い
- 警察や自治体への相談につながりやすい
一方、地方では、山林、河川、海岸など捜索が難しい場所が身近にある場合があります。人口が少ない地域でも、実数だけでは見えないリスクが存在します。
地域比較を行う際は、次の指標を分けて確認することが大切です。
| 比較する指標 | わかること |
|---|---|
| 届出件数 | その地域で受理された行方不明者届の規模 |
| 人口10万人当たり | 人口規模を調整した発生傾向 |
| 年齢別 | 子ども、高齢者などの構成 |
| 原因・動機別 | 家庭、疾病、職業などの傾向 |
| 所在確認までの期間 | 発見の早さや捜索体制の状況 |
人口当たりの件数が高いからといって、必ずしも犯罪が多いとは限りません。統計の見方を誤らないようにしましょう。
海外渡航・誘拐など『どこへ』行くのか可能性を把握
行方不明になった人がどこへ行ったのかは、年齢、健康状態、生活状況、交通手段、直前の行動によって異なります。
主な可能性としては、次のような場所が考えられます。
- 自宅周辺や普段の立ち寄り先
- 駅、バス停、商業施設
- 学校や職場
- 親族・友人の住所
- 医療機関や介護施設
- 河川、海岸、山林など
- 過去に住んでいた場所
- SNSなどで知り合った人物の関係先
- 旅行先や県外の場所
- 海外渡航先
海外に移動した可能性がある場合でも、まずは警察へ相談し、パスポートや交通履歴などの情報を伝えましょう。
誘拐や犯罪被害の可能性がある場合は、通常の家出と決めつけてはいけません。脅迫メッセージ、位置情報、SNSのやり取り、最後に会った人物などの情報は削除せずに保存してください。
なぜ行方不明者は見つからない?捜索の方法と警察・探偵・人探しの限界
初動捜索と連絡体制が必要な理由
行方不明者の捜索では、時間が重要です。時間が経過すると、移動距離が伸びるだけでなく、スマートフォンの電源切れ、交通手段の変更、天候の悪化、事故や犯罪に巻き込まれるリスクなどが生じます。
届出をする前に、家族だけで長時間探し続ける必要はありません。次のような情報を整理しながら、早めに警察へ連絡しましょう。
- 氏名、年齢、住所
- 身長、体格、髪型、服装
- 使用していた靴やバッグ
- 最後に確認した日時と場所
- 持っている可能性がある現金やカード
- 携帯電話の番号や端末情報
- 車、自転車、公共交通機関の利用状況
- 立ち寄りそうな場所
- 健康状態や服薬状況
- SNSやメッセージの内容
- 写真や本人の特徴がわかる画像
認知症高齢者、子ども、自殺のおそれがある人、事故や犯罪の可能性がある人は、特に緊急性が高いと考えられます。
生命や身体に危険が迫っている場合は110番を利用してください。緊急性が判断しにくい場合でも、最寄りの警察署へ早めに相談しましょう。
警察による捜索プロセスと特異行方不明者扱いの基準
警察に行方不明者届を出すと、届出内容をもとに行方不明者の情報が登録され、状況に応じて発見活動が行われます。
一般的には、次のような情報が確認されます。
- 最後に確認された場所と時間
- 行方不明になったと考えられる理由
- 本人の健康状態や精神状態
- 事故や犯罪の可能性
- 移動手段や立ち寄り先
- 家族、友人、勤務先、学校などの関係先
- 防犯カメラ、携帯電話、GPSなどの手がかり
特異行方不明者と判断された場合、警察は生活安全部門、地域部門、刑事部門などが連携し、必要に応じて関係機関や自治体、事業者にも協力を求めます。
一方、警察が受理したすべての行方不明者について、同じ規模の捜索を行うわけではありません。緊急性、危険性、事件・事故の可能性などによって発見活動の内容は異なります。
「事件性がない」と判断された場合でも、行方不明者届自体は受理されます。届出の際は、本人の行動を正確に伝え、危険につながる情報を隠さないようにしましょう。
民間探偵・GPS活用など人探し方法と費用感
警察への届出に加えて、民間の探偵や調査会社に相談する方法もあります。ただし、民間業者は警察のような捜査権限を持っていません。
探偵に依頼できる可能性がある業務には、次のようなものがあります。
- 公開情報や聞き込みを利用した所在調査
- 立ち寄り先や関係先の確認
- 聞き込みや現地確認
- SNSなど公開情報の調査
- 家族が把握していない生活状況の確認
費用は、調査日数、調査員の人数、移動距離、調査時間、難易度によって大きく変わります。全国一律の相場はなく、数万円程度から数十万円以上になる場合もあります。
依頼前には、次の点を確認してください。
- 料金体系が明確か
- 成功報酬の条件が書面にあるか
- 追加料金が発生する条件
- 調査できない内容を明示しているか
- 契約解除や返金の条件
- 個人情報の取り扱い
- 警察への届出を妨げていないか
GPSは、本人が携帯する端末や靴・バッグなどに取り付けて位置情報を確認する方法です。認知症高齢者の見守りには有効な場合がありますが、本人の尊厳やプライバシーにも配慮し、家族間で利用目的を話し合っておく必要があります。
行方不明者リスト公開情報の把握と問合せ方法
行方不明者リストの仕組みと公開基準を解説
警察庁のウェブサイトには、都道府県警察が公開している行方不明者情報へのリンクが掲載されています。
ただし、行方不明者届が出された人の全員が、インターネット上の行方不明者リストに掲載されるわけではありません。公開については、家族など届出人の意向、事件・事故の可能性、情報提供を求める必要性、本人のプライバシーなどを考慮して判断されます。
そのため、公開リストに載っていないからといって、行方不明者届が出されていないとは限りません。
情報提供を行う場合は、掲載ページに記載された警察署へ連絡してください。緊急性がある場合や、今まさに危険が迫っている場合は、情報提供フォームではなく110番を利用します。
家族ができる情報拡散・SNS活用法
SNSで情報を拡散するときは、情報量を増やすことよりも、正確性と安全性を優先しましょう。
掲載する情報の例は次のとおりです。
- 行方不明になった日時
- 最後に確認された場所
- 服装や持ち物
- 身長や体格などの特徴
- 使用車両や自転車
- 発見時の連絡先
- 警察署の受理番号または担当窓口
一方で、次のような情報は公開を慎重に検討してください。
- 自宅の詳しい住所
- 電話番号やメールアドレス
- 本人の病名や服薬内容
- 学校名や勤務先
- 家族の顔写真や生活パターン
- 未確認の目撃情報
- SNSのアカウント情報
- 誹謗中傷につながる推測
投稿を見た人が本人に直接接触したり、家族を装った詐欺を行ったりする可能性もあります。警察が作成した公開資料がある場合は、その内容や連絡先を優先して利用してください。
プライバシーとの関係
行方不明者の情報を公開すると、発見につながる可能性がある一方で、本人のプライバシーや安全を損なうおそれがあります。
特に、家出や家庭内トラブル、DV、ストーカー被害などが背景にある場合、居場所の公開が本人を危険にさらす可能性があります。本人が意図的に家族と距離を置いているケースでは、発見後に連絡先や居場所を家族へ伝えることが適切とは限りません。
行方不明者の情報を見つけた場合は、自分で追跡したり、本人を問い詰めたりせず、警察へ情報提供してください。
行方不明を防ぐ対策:子ども・高齢者・家族が今できること
認知症高齢者の見守りGPSと連絡システム導入法
認知症高齢者の行方不明を防ぐには、外出を一律に制限するのではなく、安全に戻れる仕組みをつくることが大切です。
取り入れやすい対策には、次のようなものがあります。
- GPS端末や紛失防止タグの携帯
- 連絡先を書いた名札や衣類の準備
- 靴やバッグへの連絡先表示
- 自治体の見守り登録制度への登録
- 認知症高齢者等SOSネットワークへの登録
- よく行く場所や散歩コースの把握
- 近所、介護事業者、ケアマネジャーとの情報共有
- 外出しやすい時間帯やきっかけの確認
GPSは万能ではありません。電池切れ、通信環境、端末の置き忘れなどで位置情報を取得できない場合もあります。GPSと見守りネットワークを組み合わせ、行方不明になった場合の連絡先や役割を家族で決めておきましょう。
子供の誘拐防止教育と地域安全対策
子どもには、次のような安全行動を繰り返し伝えておくことが大切です。
- 知らない人について行かない
- 車に乗せられそうになったら逃げる
- 助けを求める場所を知っておく
- 防犯ブザーの使い方を練習する
- 一人で危険な場所に行かない
- SNSで知り合った人と会わない
- 外出先や帰宅時間を家族に伝える
- 予定を変更するときは連絡する
「知らない人」だけでなく、SNSやゲームのメッセージを通じて接触してくる人物にも注意が必要です。子どもを責めるのではなく、困ったときに相談しやすい関係をつくることが、早期相談につながります。
地域では、通学路の見守り、防犯カメラ、子ども110番の家、学校・自治体・警察の情報共有などが有効です。
家出兆候の把握と早期フォローの方法
家出の兆候として、次のような変化が見られることがあります。
- 急に口数が減った
- 睡眠や食事のリズムが変わった
- 学校や仕事を休みがちになった
- SNSの利用時間が増えた
- 友人関係や交際相手が変わった
- 荷物や現金を持ち出している
- 家族との会話を避けるようになった
- 「消えたい」「遠くへ行きたい」と話す
ただし、これらの変化だけで家出や危険を断定することはできません。変化に気づいたら、問い詰めるより「何か困っていることはない?」と話を聞く姿勢を示しましょう。
連絡が取れなくなった場合は、本人の友人や学校、勤務先などに確認します。ただし、本人の個人情報を過度に広げないよう注意してください。危険が疑われる場合は、早い段階で警察に相談しましょう。
まとめ:近年の日本の行方不明者数と今後の課題
2023年以降の予測と増加傾向の要因整理
日本の行方不明者数は、令和5年の9万144人をピークに、令和6年は8万2,563人、令和7年は8万486人と減少しています。
ただし、警察庁は将来の行方不明者数を公式に予測していません。そのため、今後の件数を断定することはできません。
現時点で注目すべき要因は、次のとおりです。
- 高齢化に伴う認知症行方不明者の増加
- 10歳代・20歳代の若年層の行方不明
- 家庭、学校、仕事をめぐる悩み
- 単身世帯や地域のつながりの変化
- SNSによる人間関係や移動範囲の拡大
- GPSや見守りサービスの普及
- 自治体や地域住民による通報体制の整備
令和7年は全体数と認知症行方不明者数のいずれも前年より減少しましたが、年間8万人超、認知症関連1万7,000人超という規模は、引き続き社会的な課題といえます。
社会全体での連携と必要な対策
行方不明者への対応は、家族だけで抱え込む問題ではありません。
警察、自治体、学校、医療機関、介護事業者、地域包括支援センター、交通事業者、地域住民などが情報を共有し、早期に捜索を始められる体制が必要です。
特に認知症高齢者では、地域住民からの通報が発見のきっかけになるケースもあります。自治体の公式LINE、防災行政無線、見守りネットワークなどを活用し、必要な情報を適切に広げることが重要です。
一方で、情報公開にはプライバシー上のリスクもあります。本人の安全を守りながら、どこまで情報を共有するかを慎重に判断する必要があります。
失踪から発見までの時間を縮める取り組み
行方不明者の早期発見には、届出をためらわないこと、本人の特徴や行動を正確に伝えること、周囲と速やかに情報共有することが欠かせません。
家族が行方不明になった場合は、次の順番で対応しましょう。
- 事件、事故、自殺、犯罪被害の可能性があれば110番する
- 最寄りの警察署へ行方不明者届を届け出る
- 写真、服装、持ち物、最後にいた場所を整理する
- 家族や関係者に確認する
- 警察と相談しながら、必要に応じて情報を公開する
- GPS、見守りネットワーク、自治体の支援を活用する
行方不明者数の統計は、単なる人数の推移だけでなく、子ども、高齢者、認知症の人、家庭や仕事に悩む人など、それぞれ異なる背景を持つ人の存在を示しています。数字を正しく読み解き、早期相談と地域の連携につなげることが、発見までの時間を短縮する第一歩です。
