交際相手からお金を求められ、さらに相手の「相談相手」からも責任を問われたら。一人からの説明なら保留できても、別の人物まで同じ話をしていると、確かな出来事だと感じてしまうかもしれません。婚活サイトで知り合った男性から450万円をだまし取った疑いの報道では、その相談相手にも女本人がなりすましていた可能性が伝えられました。
大切なのは、説明する人の数だけで判断せず、その情報がどこから来たのかを確かめることです。今回はこの報道から、第三者への確認が本当に別の経路からの確認になっているか、相談に備えて何を残すかを考えます。
FNNプライムオンラインは、婚活サイトで知り合った男性から現金450万円をだまし取った疑いで、35歳の女が逮捕されたと報じました。女は医師を名乗り、職場の相談相手という架空の人物にもなりすましたとみられています。調べに対し、女は容疑を否認していると伝えています。
出典:FNNプライムオンライン「謎の『アサコ先生』正体は女本人か 婚活サイトで知り合った男性に“流産”や“元妻の嫌がらせ”とウソ 450万円詐取か 35歳女を逮捕」(2026年10月23日12:44配信、13:59更新。10月22日放送の内容)
ここからは報道をもとにした一般的な備えの独自解説です。逮捕は有罪の確定を意味せず、報道に登場する女性の職業や個別の経緯を当サイトが調査・確認したものではありません。
第三者の「人数」より、情報の出どころを確かめる
交際相手から紹介された友人、勤務先の関係者、専門家。肩書きのある人から連絡が来れば、事情をよく知る立場なのだと思うこともあるでしょう。しかし、相手が教えた連絡先へ連絡し、その人からも同じ説明を聞いたというだけでは、独立した裏付けとは限りません。
たとえば、交際相手が見せた画像、交際相手が紹介した相談役、その相談役が送った書面という三つの情報があっても、もとの出どころが同じ可能性は残ります。これは一般的な想定例ですが、情報が増えたことと、事実の確認が進んだことは分けて考える必要があります。
「別の人も言っている」から一歩進んで、「その人への連絡先を、誰から受け取ったか」を確認する。組織や専門職を名乗る人物なら、相手から送られたリンクや番号だけに頼らず、自分で確認した公式窓口を使いましょう。実在する組織の名前が出ていることと、連絡してきた人がそこに所属していることも別です。
急いで支払うよう求められたり、誰にも相談しないよう言われたりしたら、いったん判断を止めて外部へ相談してください。相手が怒るかもしれないという不安だけで、金銭を渡す判断を急がないことが大切です。
誰が、どの立場で、何を求めたかを分けて記録する
後から説明を整理しようとすると、交際相手の発言と相談役の発言、実際に見た書面と口頭で聞いただけの話が混ざりやすくなります。相手の主張を事実として書き直さず、発言した人と確認できた範囲を残しましょう。
- 各人物が名乗った名前や肩書き、使っていたアカウント、最初に連絡が来た日時、連絡先を知った経緯をまとめる。
- 金銭を求めた人、説明された理由、金額、期限、渡し方を、メッセージや通話の記録と対応させて残す。
- 手紙や書面について、原本を見たのか、写真を見たのか、存在を聞いただけなのかを区別する。画像や前後のやり取りは編集せず保管する。
- 現金を渡した場合は日時・場所・同席者など分かる範囲を、振り込んだ場合は振込明細などを残す。不明な点を推測で埋めない。
記録用の時系列メモは、元のデータとは別に作ると相談時に示しやすくなります。相手や元配偶者の個人情報、医療に関する説明などをSNSへ公開して真偽を募る方法は避けてください。相談先には必要な範囲で伝え、関係のない人への拡散を防ぎましょう。
紹介された人の外に、警察や法律相談の窓口を持つ
犯罪の可能性が心配なときは最寄りの警察署や警察相談専用電話「#9110」へ。脅迫や暴力など緊急の危険がある場合は110番で助けを求めてください。警察庁の相談案内で窓口を確認できます。法的な支払義務や返還請求の可否は、やり取りや資料を持って弁護士などに相談しましょう。
すでに振り込んでしまった場合、金融庁は警察や金融機関への連絡を案内しています。今回の報道は現金の手渡しですが、実際の相談では支払方法も正確に伝える必要があります。返金や回収が必ずできるという意味ではありません。
探偵への調査依頼と、被害金の返還請求は別のものです。千葉県警は、被害金の回収をうたって契約を促す探偵業者への注意を呼び掛けています。調査を検討する場合も、何を合法的に確認し、どのような結果を受け取る契約なのかを確かめてください。「必ず取り戻せる」という説明を理由に追加費用を急いで払わないようにしましょう。
複数の人物や書面が登場しても、情報の出どころが独立しているとは限りません。誰が何を説明し、誰が支払を求めたのかを分けて記録し、相手の紹介とは別の相談先へつなぎましょう。一人で正体を暴こうと対決するより、判断を保留して安全に確認することが大切です。
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