裁判において、原告(訴えた側)が提出した「訴状」に対し、被告(訴えられた側)が最初に裁判所へ提出する書面のこと。訴状に書かれた事実を認めるか否か、また被告側の言い分や反対の申し立てが記載される。
答弁書のリアル:ある探偵の記録
「相手方から『答弁書(とうべんしょ)』が届きました。予想通り、全面否認です」
弁護士事務所のデスクの上。依頼人の女性と私は、送られてきたばかりの裁判書類を睨みつけていた。数ヶ月前、夫の不倫相手(二対)に対して慰謝料請求の裁判を起こしたのだが、それに対する不倫相手側からの最初の反論、それがこの答弁書だった。そこに並んでいたのは、目を疑うような言い訳の数々だった。
『訴状にある不貞行為の事実は一切存在しない。原告の夫とは単なる会社の同僚であり、2人で食事をしたことはあるが、肉体関係など断じてない。よって、原告の請求の棄却を求める――』
「答弁書の嘘を暴くために、私たちの報告書がある」
私は心の中でそう確信し、依頼人に優しく微笑みかけた。裁判において、被告側が最初の答弁書で「はい、私が悪かったです」と素直に認めるケースは極めて稀だ。多くの場合は、少しでも慰謝料を減額するため、あるいは責任を逃れるために、まずは「全面否認」や「事実無根」の申し立てを行ってくる。法律の場では、どれほど大嘘が書かれた答弁書であっても、それを覆す『客観的な証拠』がなければ、裁判官に相手の言い分が認められてしまうリスクがあるのだ。
しかし、相手は大きな計算違いをしていた。彼女が答弁書に「ただの同僚で肉体関係はない」と書き込んだその手元には、私たちが本調査で命がけで撮影した「言い逃れのできない事実」の存在が頭にないのだ。
私たちは、二人がラブホテルへ入っていく写真、そして10時間後に腕を組んで出てくる鮮明な映像を、何月何日何時何分という正確な記録とともに調査報告書として弁護士に提出してあった。さらに、言い逃れを防ぐために「電調」や「側調」で固めた、二人の親密な交際の実態を示すデータも揃っている。
「この答弁書の言い訳は、次の口頭弁論で完全に崩壊しますね」
弁護士は私たちの報告書を裁判所に提出する準備をしながら、不敵な笑みを浮かべた。いくら答弁書に美辞麗句や嘘の反論を並べ立てようとも、探偵が切り取った『真実の瞬間』の前では、すべての文言が虚しく崩れ去る。依頼人が流した涙が、正当な判決へと変わるカウントダウンが始まったのだ。
答弁書の「嘘」を撃ち抜く、プロの証拠力
裁判における「答弁書」は、相手がどのような戦略で反論してくるかを知るための重要な書類です。相手が嘘の主張をしてきたとしても、焦る必要はまったくありません。プロの探偵が作成した、裁判でそのまま使える「不貞の調査報告書」があれば、相手の身勝手な答弁書をただの「苦しい言い訳」へと変えることができます。裁判という厳格な法廷闘争において、確実な証拠こそが、相手の嘘の申し立てを完璧に粉砕する唯一の武器なのです。